〈製作国〉アメリカ
〈監督〉ウィリアム・フリードキン
〈製作〉フィリップ・ダントニ
〈原作〉ロビン・ムーア
〈脚本〉ア−ネスト・タイディマン
〈撮影〉オーウェン・ロイズマン
〈編集〉ジェリー・グリーンバーグ
〈音楽〉ドン・エリス
〈出演〉ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ他
〈一口メモ〉ハックマン&シャイダー、主役の刑事コンビがカッコよすぎ。自動車の中から麻薬を見つけ出すシーンで、最後までポパイを信じてとうとう在り処を暴いた相棒ルッソ=ロイにシビれた。
F1ならセカンドドライバー、野球ならキャッチャーと、なぜか徳丸が心惹かれる男性というのは〈主役をカゲで支える縁の下の力持ち的タイプ〉が多いのですが、この映画でいうともちろんジーン・ハックマンよりロイ・シャイダーですよアナタ。彼はイイ。もうピカイチ。徳丸の大好物である“シブイおっさんオーラ(笑)”放ちまくりですハイ。〈暴走しがちな“ポパイ”ことドイル刑事(ハックマン)を誰よりも理解し、深く信頼して、どんな状況でも適確にサポートする相棒〉だなんて、まさに女房役のカガミじゃないですか。こんな彼がナゼゆえアカデミー助演男優賞をとれんかったんでしょうねぇ。徳丸としては当時の選考委員を一人一人じっくり問いただしたいところですな(笑)。彼の落ち着いた雰囲気が、ハックマンのハジけた演技をよけい際立たせてると思うんですけどねぇ…。まったくもったいない。
この映画の良さは、何といってもカメラワークの素晴らしさでしょうねぇ。実話をもとにした小説を映画化したということもあってか、ドキュメンタリータッチに描かれてるんですけどこれがまたウマイんだ。容疑者を数人の刑事で尾行するシーンなんかスリリングで、ワクワクしますねぇ。あと張り込みのシーンでカメラは車の中で見張ってるハックマン&ロイ側にあって、映像ではマークしてる人物を映しつつバックに二人の会話を流すところなんかホントにドキュメンタリーみたいで、すごくリアリティを感じさせます。でもきちんと映画として見せる場面も入れてあって、静と動、フィクションとノンフィクションの微妙なさじ加減がすごくおもしろい作品。『ダーティーハリー』もリアリティを追及しつつそれでもやっぱり“映画”って感じでしたが、こちらはよりリアリティさ加減に力を入れつつも、うまくフィクションと融合してるというか…ハイもうここら辺で言ってる事とっちらかってきましたが(笑)、まぁとにかくアクション映画のおもしろさは、使った火薬の量や車の台数で決まるもんじゃないっつー事ですようん(←やや強引なまとめ)。
やはり有名なのはハックマンが電車を追いかけるカーチェイスシーンなんでしょうけど、そりゃいまだに語り草にされるよな、とすんなり納得できるほど見ごたえ十分。徳丸はアクション映画のカーチェイスシーンってあんまり興味ないんですが、これは違いました。とにかくスゴイ。このシーンだけでもカメラワークと編集がどれほどウマイ作品かというのがよくわかります。ハックマンの迫真の演技と合わせて、画面から迫力が伝わってきますもの。なかなかやるじゃんジーン・ハックマン(笑)。この時はまさか自分が25年後にゲイクラブで女装する映画に出るとは夢にも思ってなかったんだろうなぁ(←当たり前だ)。でもこの映画でハックマン演じるドイル刑事って、確かに口は悪くて手も早くて(いろんな意味で)、自分勝手で乱暴な役柄ですがどことなくおちゃめで、なんか憎めないんですよね。特にラストで容疑者と間違えて仲間を撃ち殺しちゃうんですが、そんな深刻なハズの場面でもなんかあっさりしてて、「あ、間違えた」ぐらいなノリだったのが徳丸的にはすごくウケました(笑)。この映画で徳丸がしっくりこないのはその後の展開ぐらいで、結局追いかけてた容疑者逃がしちゃうんですよね。まぁ実話だからどうしようもないけど、なんか歯にモノが挟まったままみたいな、落ち着かない感じがしますねぇ。ま、でも逆に言えばそれぐらいしか気になるところがない、すんごくよくできた映画です。だからこそロイがこれで助演男優賞を逃したというのが、不思議でしょーがナイ(←まだ言うか)。
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>この映画でいうともちろんジーン・ハックマンよりロイ・シャイダーですよアナタ。
あの名女房役・縁の下の力持ち、
ルッソ“クラウディ”刑事がいなかったら、
如何にポパイと言えどもあんな活躍は無理でしょうね。
あのどことなく悲しげな大きい垂れ目がキュートです。
ということで、私の記事、TBさせてくらさい。
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徳丸は、この映画がキッカケでロイ・シャイダーにハマりました。その後『オール・ザット・ジャズ』を観て、彼にゾッコン参りました(笑)。ああいうシブくて演技力のある役者さんに弱いんですよねぇワタシ。
まぁとにかく、この映画は観れば観るほど味が出るというか、何度観ても飽きない名作ですね。