〈製作国〉アメリカ
〈監督・脚本・原作戯曲・出演〉ジョン・キャメロン・ミッチェル
〈製作〉パメラ・コフラー、ケイティ・ルーメル、クリスティーン・ヴェイコン
〈製作総指揮〉マイケル・デ・ルカ、エイミー・ヘンケルズ、マーク・タスク
〈原作戯曲・音楽・出演〉スティーヴン・トラスク
〈撮影〉フランク・G・デマルコ
〈出演〉マイケル・ピット、ミリアム・ショア、セオドア・リスチンスキー他
〈一口メモ〉劇中でヘドウィグちゃんが歌う曲がイイ。どれも彼女の生き様を情感たっぷりに歌い上げた、哀愁ただようラヴソング。控えめ(…か?)な佳作。
んまーなんでしょうかこの映画は(笑)。新年そうそうこんな映画観ちゃってどーなのよって話なんですが、全然観る予定なかったのに突然ムシの知らせ的にチェックしちゃったのも、何やら運命のよーなものを感じますわ(笑)。
まーとにかく、主役のヘドウィグちゃんを演じるジョン・キャメロン・ミッチェルがイイですねぇ。というよりこの役は、彼だけのものですね。ビョークでいうところのセルマみたいなもんでしょうか。“ヘドウィグ”という役は、彼が演じてこそのヘドウィグなんでしょうね。また“彼女”のルックスも徳丸好きなんだわぁ。カワイイんだわぁ。ステージ上がる時の“ドラァグ・クイーンっぷり全開バリバリバージョン”ももちろんイイんだけど、ふだんのちょっとおとなし目の、つぶらな瞳のヘドウィグちゃんもとってもキュートなんですわ−(笑)。徳丸はすっかり彼女にラヴですよ−。そんでまた、ラストで見せる“素”の姿、男とか女とかじゃなくて、ありのままの“彼”の姿。この華奢っぷりにいたくそそられますしー(笑)。とにかくどんな姿であっても、ヘドウィグちゃん(=ジョン)の瞳はいつも悲しそうでミステリアスで、そこにグッと惹き付けられるちゃうんでしょーねぇ。
ストーリーはどちらかというと分かりにくかったんですけど、でもそんなもの特に気にならないというか、とにかく全面的にヘドウィグちゃんの内面世界にどっぷりつかって、歌を通してひも解かれていく“彼女”の過去、秘密、嘆き、悲しみ、怒り、諦め、愛、憎しみ、それらを感じることができればオッケーなんじゃないかと。あーだこーだ頭で考えるんじゃなくて、ハートで感じ取る映画って事でしょーか。熱狂的ファンが多いのもなんとなくわかる気がいたしますねぇ。魂がヘドウィグちゃんとリンクしちゃうんですよ、たぶん。
本編でヘドウィグちゃんが歌う曲もハイグレードでして、サントラ欲しくてしょーがないって気になってる徳丸なんですけど、中でも『アングリーインチ』の曲は…徳丸これ聴いてようやくタイトルの“アングリーインチ”という言葉の深い意味を理解できました。曲自体はとてもノレる曲調なんですけど、歌詞は悲しみ&怒りに満ちあふれた、ヘドウィグちゃんのアイデンティティーを象徴している曲というか。その他にも何曲か切なくなる歌がいっぱいあって、ライヴのシーンだけでも見る価値ありますよホントに。
またその、バックコーラス担当のヘドウィグちゃんの“夫”、この役を女優さんが演じてるってのもオドロキですな。コーラスの声がどーもかん高いんで、「えーこの人、女の人なんかなぁ。でもどー見ても男に見えるよなぁ…」と半信半疑だったんですけど、お見事な化けっぷり。いやーまったく、何から何まで不思議な映画ですよ(笑)。
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